清水の舞台から飛び降りても死ななかった
朝礼ネタ4141 2021/01/01 故事ことわざよく、人が覚悟を決めた時に、『清水の舞台から飛び降りる』くらいの気持だったと言うことがあります。清水の舞台というのは、修学旅行で行くことが多い、京都の清水寺のことです。
実は、清水寺の舞台から飛び降りた後、生きていると願いが叶えられるという噂が広まり、それが清水寺の舞台から飛び降りる要因になっています。
噂の出どころは、江戸の元禄時代に一世を風靡した「清玄桜姫物(せいげんさくらひめもの)」という歌舞伎の演目です。清水寺の清玄(僧侶)が桜姫に恋をしてアタックしますが、桜姫は逃げまくります。そして、演目の中で桜姫が傘を開いて舞台から客席に飛び降りるというセンセーショナルな演技をし、それが話題になります。
その評判に尾ひれが付き、いつの間にか清水の舞台から飛び降りると、願いが叶うという話にすり替わります。
噂を信じた人がいたためか、実際に飛び降りる人が現れ、その数は江戸時代に234人もいたとの記録が残っています。清水の舞台は高さが12mあり、ビルの4階の高さになっているため、飛び降りれば死んでしまいそうですが、何と85%の人が生きていました。
飛び降りた人は意外と女性より男性が多く、70%が男性でほとんどが武士か僧侶でした。明治時代になって「飛び降り禁止令」を発令され、やっと飛び降りる人がいなくなりました。
ところで、飛び降りても生きていた原因ですが、当時は現在よりも木々が多く生い茂り、地面が柔らかい土だったことが挙げられます。多くの木がクッションの役目をし、土が落ちたショックを吸収したため、死には至らなかったようです。
ただし、現在は木が減っており、地面も補強されているため、飛び降りると間違いなく死にます。飛び降りない方が賢明です。