保証人と連帯保証人の違いは与えられている権利
朝礼ネタ3536 2021/01/01 金融・保険金融業者は借金を求められると、担保の提供や保証人の契約を要求することがあります。
その保証人には単なる「保証人」と「連帯保証人」があり、保証人に連帯の文字が付くと、その責任は非常に大きくなります。
まず、保証人の場合は債務者が借金を返済しない時だけ、返済の義務を負います。
また、保証人が複数いる場合は、借金を保証人の数で割った金額だけを保証するだけで済みます。
例えば、債務者に300万円の借金があり、保証人が3人いた場合は、各自が100万円の債務を保証するだけで構いません。
そして、保証人には「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」という権利が与えられています。
催告の抗弁権というのは、金融業者が弁済の請求をした時に、『債務者から先に返済を催促して欲しい』と、金融業者に言える権利のことです。
検索の抗弁権というのは、『債務者の自宅は所有物件だから、売れば全額の返済が可能なはずだ』などと、債務者の返済能力を提示して、債務者から返済を受けるように要求できることです。
また、保証人は金融業者に対し、債務者の不履行の有無や債務残額などの情報を提供するように請求することができます。
金融業者は速やかに保証人に対して情報を開示しなければなりません。
一方、連帯保証人は債務者と全く同じ返済の義務を負っており、抗弁権は与えられていません。
従って、金融業者から返済の請求があった場合は債務者の返済能力の有無に関わらず、必ず応じなければなりません。
また、連帯保証人が何人いようと、一人で債務全額を返済する義務があります。
ただし、返済後に他の連帯保証人に対し、案分した金額以上に返済した金額を求償できます。