絶対的自信があるのに九分九厘とは
朝礼ネタ2645 2021/01/01 故事ことわざ九分九厘という言葉は何か不思議な言葉に感じられます。
「九分九厘大丈夫だ「九分九厘勝つだろう」と使いますが、裏を返せば「一厘はダメ」「一厘は負け」ということですから油断はしてはいけないことになります。
競馬の話で恐縮ですが、私の聞いた話では有馬記念というレースで一流騎手の乗った超1番人気馬が、ゴール寸前で14番人気の馬にかわされ、優勝をさらわれたというエピソードがあったそうです。
「九分九厘あの馬が勝つだろう」が覆されて、「一厘」に潜む大逆転の可能性が現実となった話です。
この話は九分九厘が覆ったという良い例で、一着になるとほとんどの人が予想していたのですが、土壇場で人気薄の馬が一着に入ったものですから、いまでも語り草となっているそうです。
「九分九厘」という言葉は、何割何分何厘の分ではなく尺貫法で言う100%を十分(ぶ)というところからきているそうです。「もう十分に満足だ」「この勝負は五分五分だろう」「腹八分目が良い」というように使われるのと同じです。
つまり「九分九厘」とは99% のことです。
しかし、あることに絶対的な自信があれば100% というべき所、多くの場合「九分九厘」という表現をするのは何かおかしく感じます。
絶対はあり得ないと考えれば、1%の大逆転がもしかしたらあるかも知れないので、もしもの時の言い訳にしているのかも知れません。
仕事でも最後の詰めが大切で、1%に潜んでいるものが出てこないように気を引き締めていきたいと思います。