3月と春のしみじみな関係について
朝礼ネタ202 2021/01/01 3月風物詩・季節行事三月と言えば、別れの季節。さっぱりする人もいれば、寂しくてたまらない人もいる事でしょう。
私は大学の名前がそのまま地名になっているような街に住んでいます。
ほぼ、一年中街は若い学生たちで賑わい、時には騒がしすぎる程です。
ところが、街がひっそりと一瞬だけ静かになる時期があります。
それが夏休み、冬休み、そして春休みです。
春休みはほかの季節とは少し違うものです。
夏の前は来る長期休みにわくわくし、実家に戻らない学生も多数です。
何だか街もわくわくと賑やかな楽しい雰囲気になるのです。
でも、春休み、3月は違うのです。
この慣れ親しんだ、青春の全てがつまった、この街を出て行く学生が沢山いるのです。
卒業式の後はあっちでもこっちでも小さなトラック、友達の車、に荷物を積み込む学生達を見かけます。
楽しげな引越し作業。だけど、なんと言うか、甘酸っぱいような、ほろ苦いような不思議な感覚に大人は陥るものです。
自分たちが学生だった頃を思い出しつつ、その光景を眺めては、あの頃の楽しかった、辛かった、嬉しかった色々な思いが胸にじわーっと広がって。
そして、いくつものトラックが走り去り、住人のいなくなったカーテンの無い窓のアパート達。
学生たちが横並びに歩いて、とても通りにくかった、この道。
この時期だけはすいすいと歩ける。それも何だか寂しい。
でも、このどこか寂し気な通りも、また二週間もすると今度は小さなトラックや地方ナンバーの車で通りにくくなるのです。
そう、新しくこの街を、この通りを横並びに歩く住人たちを乗せて。