かごしま水族館の空っぽの水槽をご存知ですか?
朝礼ネタ175 2021/01/01 地域情報社会・経済水族館といえば、色鮮やかな魚や生き物たちが生き生きと水槽の中を泳いでいるところをイメージするかと思います。
ある水族館では、そのイメージを大きく覆す水槽がひとつあります。
それは鹿児島市にある「いおワールドかごしま水族館」。
様々な魚たちの展示を眺めるなか「沈黙の海」と名づけられた水槽があります。
中にはなにもいません。ただただ青い空間広がり、そこにぷくぷくと泡が浮かんでいるだけ。
この水槽には大きな意味があります。
亡き初代館長の想いがこめられているのです。
その水槽の横には、一遍の詩が掲げられています。
青い海 なにもいない
もう耳をふさぎたいほど
その文章から始まる詩は、人間の環境破壊によって生き物たちがいなくなってしまった世界を表現しています。
すべての生き物がいなくなってしまった海。
その水槽についてユーザーがツィッターで呟いたのをきっかけに、大きな話題を呼びました。
「怖い」「不気味だ」と多くの人からの反応がありました。
沢山の生き物たちを見た後に、なにもいない水槽を見るというのはインパクトが大きく、恐怖すら感じさせられます。
中にはその水槽の前で長い時間立ち尽くす来館者もいるそうです。
私たち人間を含む、すべての生き物は海で誕生しました。
生き物たちにとって海は母なる存在です。
詩の最後は次のように締めくくられます。
そんな海を子供たちに残さないために
わたしたちは 何をしたらいいのだろう?
ごみを捨てる前に、また、海へ遊びに行ったときに忘れないでください。
私たち人間のはるか祖先が誕生した海を汚してはいないか、ということを。