相手も自分も気持ちよくーおもてなしの正しい使い方ー
朝礼ネタ1373 2021/01/01 マナー「おもてなし」という言葉が一時期、頻繁に使われました。とても日本らしいきれいな言葉だなと思います。
ただ、使い方を間違えてしまってはいけません。例えばの話ですが、みなさんのお宅にお客さんが来たとしましょう。大変にお世話になっている方を、もてなさなければなりません。高価な食事を用意し、豪華なプレゼントを差し上げる。
そして、遠慮するお客さんに「これはおもてなしです」と言う。「おもてなし」という言葉を、こういう使い方をするのは間違いです。
「おもてなし」は相手に押し付けるものではないのです。
大切なお客さんに心地よく、くつろいで頂いたり喜んで頂き、最後にお客さんが「今日はもてなして貰って、ありがとう」と感じていただくことなのです。
旅館で女将さんが従業員に「おもてなしの心を忘れないようにしてください。」と言うのならオーケーです。決して、もてなす相手に言う言葉ではないのです。
何の遠慮もいらない友人たちなら、冗談半分に「こんなにもてなしてやったんだから、明日は焼肉くらい食わせろよ」。こんな使い方は許されるかもしれません。
おもてなしと同じく、忖度(そんたく)という言葉も頻繁に使われています。これも素敵な日本語ですが、残念ながら本来の意味とはちょっとニュアンスが違う使われ方をされています。忖度とは相手のご機嫌を取るということではなく、相手のことを心から思い、何かをすることなのです。
こういった間違った言葉の使い方、他にもまだまだあります。
素敵な日本語を、素敵なままにするために、言葉は正しく理解しましょう。