11月1日は「寿司の日」です。11月は新米の時期にあたること、また寿司のネタになる魚介類も脂がのって美味しい時期であることから、このように制定されたそうです。

以前に、ある有名な寿司職人の方についての記事を読んだことがあります。その方は業界で知らない人はいないくらいの技術をもった方とのことでした。私は、きっとご実家が飲食店だったり、幼い頃から料理が好きだったりしたのかなと、想像しながら記事を読み始めました。

その方は、家庭の経済的な事情で７歳のときに料理店に奉公に出されたとのことでした。自ら望んだことではなかったと思われますが、家に帰ることはできなかったようで、生きていくために一生懸命仕事に励んだそうです。店主や先輩たちが丁寧に教えてくれるようなことはなく、見よう見まねで必死に料理の技を磨いていったとのことでした。

その方は1925年生まれだったので、今とは「時代が違う」と言ってしまえばそれまでですが、不本意なかたちで就いた職業にも関わらず、地道な努力を長く続けてこられたことにとても感銘を受けました。「仕事というのは合う合わないではなく、こちらから努力をして合わせていくものだ」とも言っておられました。

お恥ずかしいですが、私は今までに何度か「この仕事は自分には合わない」とか「向いていない」などと思ったことがあります。ですが、この寿司職人の生き方を知って、今目の前にある仕事をひとつひとつ、誠実にこなしていこうと思えるようになりました。