菜根譚の教える因果の帳尻、成功ということ
朝礼ネタ766 2021/01/01 故事ことわざ
今回は「菜根譚の教える因果の帳尻、成功ということ」についてです。
稲森和夫氏の著作に触れる機会が多い筆者にとって、その著作の中には時に「ハッ」とする言葉に出会うことがあります。
今回はその中でも氏が中国の古典「菜根譚」のなかでの言葉、
「善をなすもその益を見ざるは、草むらの東瓜のごとし」をあげます。
例えばビジネスの場面においてはいくら打ち込んでもなかなか「成果が生まれない」、そういったことがあるかもしれません。そういう時は私でも余裕がなくなり、短絡的な思考になりがちです。
しかし氏は、そんなときほど、先ほどの言葉を思い出すよう述べます。
この言葉の意味は「因果はめぐる」ということ。
すなわち善行(=一生懸命に誠意ある仕事をする)を積むことは、今はみえなくても、長い目で見れば因果は巡り「良い結果」を産むという言葉です。
なかなか結果が表れない時は焦ることも多いと思います。
しかし「長い目でみること」。
この因果は何も良い因果だけではありません。悪い因果もめぐるのです。
悪徳的に一瞬だけ成功する「経営者」の方もいますが、心持ちが悪かったり、誠意の欠いた仕事ぶりは必ず失敗する。当たり前のことですね。因果の帳尻は合うのです。
このことは西洋の考え「等価交換」の原理も思い出させます。
苦労した努力はかならず「その分」報われる、ということ。
腐らず毎日の仕事に従事していたら成功を産むことが多い、よく考えたら当たり前のことですが、見えなくなる時があるだけに大事にしたい言葉ですね。