有頂天になってると、急転直下、墜落ですよ
朝礼ネタ5851 2024/06/02 故事ことわざ苦節三年、多くのライバルとの激しい争いを勝ち抜き、とうとう契約を勝ち取ったぞ! そりゃ、有頂天になりますよね。
ところでこの「有頂天」本来は仏教用語なんだそうです。
人は修行を積む事で「欲界」から「色界(しきかい)」へと、住む世界を上に登っていくのです。欲界はまさに本能剥き出し欲望の世界で、色界はそこにある全物質が清浄な世界。
そしてこの色界は初禅天、二禅天、三禅天、四禅天にわかれ、この四つの禅天のうち初と二と三の天はそれぞれまた三つ天に、四禅天は九つの天にわかれています。
ん〜、ややこしい。要するに真に良い人になるためには辛い々々修行を積み重ねながら、欲界から始まっていくつもの段階世界をよじ登って行かねばならないという話みたいです。
そして最後に到達する四禅天の中の九つ目の天つまり九天で、これを有頂天というのです。ここで初めて聖人君子となるのです。
ところがどっこい、有頂天って言う言葉はあまり良い意味では使われません。「有頂天になってると足元をすくわれるぞ」なんて感じ。せっかく苦労して到達した最高峰なのにドシテ?ですね。
いや、実は有頂天は最高峰ではないのです。有頂天は色界では最高峰なのですが、色界の上には「無色界」という世界があるんだそうです。これ、物質が皆無の精神だけの世界。いやいやお前さんなんぞ、マダマダだよっていうこと。
有頂天なんかで有頂天になって修行を怠り邪念に囚われたら、即九天から真っ逆さま。これを九天直下といいます。はい、お粗末様でした。
あ、因みに九天は仏教世界のものだから、我々の俗世間では「急に転ぶ」と書いて急転直下です。お間違えなく。