「ごちそうさま」ってそういう意味なんだ
朝礼ネタ5226 2022/12/23 故事ことわざ食事が終わった後には「ごちそうさま」とご挨拶するのがお行儀です。
ところでこれ、漢字で書くと「ご馳走さま」となり、
馬に乗って駆け回るという意味になります。
現代のようなスーパーマーケットやコンビニがすぐ近所にない時代、
食材を入手するだけでもそれなりに手間がかかりました。
火を起こすにしてもガスレンジのスイッチでワンタッチ、というわけにはいきません。
つまり食事の用意にはあちらこちらと走り回らなければならず、
その食事が大切なお客様などに出すものとなると、
新鮮で珍しくて美味しい食材を求めて、それこそ馬で駆け回ることになったのでしょう。
だからそんな食事で饗応された側は、
「走り回って美味しい食事を用意して頂き、誠に有難うございました」という意味で、
「ご馳走さま」と挨拶するというわけです。
馳走という言葉は元々は武士言葉として文字通り、
「馬で駆け回る」や「奔走する」という意味で使われていました。
例えば「信長公御入洛につき、代官方々差配に馳走致し候」などと使い、
「信長公が京都に来られたので、役人たちはその準備に奔走した」というほど意味になります。
また戦国時代の武将たちは、思う存分戦う様子を「馳走いたし候」と表現しました。
現代の私たちも仕事の上で、
お客様に対し誠心誠意馳走し、仲間のためにも一生懸命馳走し、
さらには競争相手にも全力で馳走し、
事が成った後には、周囲の人に対する「ご馳走さま」の気持ちを忘れない様にしたいものです。