保険会社が示談交渉のできる条件
朝礼ネタ3549 2021/01/01 金融・保険車を保有している人が自動車保険に加入するのは、交通事故に遭った際の損害額を保険金で賄ってもらうだけではありません。
事故相手との煩わしい示談交渉を代わりにやってもらうことも大きな目的になっています。
しかし、どんな事故であっても、必ず保険会社が示談交渉の代理をするわけではありません。
つまり、場合によっては契約者自身が示談交渉をしなければならないということです。
その判断基準になるのが「過失責任」です。
損害賠償というのは、当事者双方が過失割合分の賠償金を相手側に支払います。
例えば、相手の損害が100万円で、自分の過失割合が70%の場合は70万円の賠償金を支払います。
従って、保険会社は契約者が支払う賠償額の70万円を保険金で補償します。
保険金を支払う当事者だからこそ、保険会社は相手と示談交渉をします。
しかし、過失責任が無ければ、賠償は発生しません。
そして、契約者に賠償責任が無ければ、保険会社は保険金を支払いません。
つまり、保険会社は事故の部外者ということになります。
部外者の保険会社は相手との示談交渉ができません。
それは、保険会社が契約者に代わって示談交渉をすることが法律で認められていないからです。
示談交渉というのは法的行為に当たるため、契約者の代理として法的行為ができるのは弁護士だけです。
そのことは弁護士法に定められています。
仮に、部外者の保険会社が弁護士にしかできない業務を行うと、「非弁行為」と言って法律違反に問われます。
そのため、過失責任の無い事故は、契約者自身で示談交渉をするしかありません。
そんな時のために、自動車保険には「弁護士費用特約」があり、被害を受けた契約者が弁護士に示談交渉を依頼した場合はその費用などを補償してもらえます。