資金繰りの悪化による黒字倒産
朝礼ネタ3525 2021/01/01 営業管理職・経営会社が倒産する時というのは、一般的に販売競争の激化や需要の衰退にともなう売上の減少が主な原因になっています。
また、取引先の倒産による手形の不渡りや、売掛金の回収不能が原因であることも少なくありません。
ところが、売上は順調に推移し、取引先からの回収もできているのに、倒産に繋がることがあります。
その大きな要因の一つが、「在庫過多」です。
在庫過多によって資金繰りが悪化し、お金が足りなくなって倒産にいたります。
これが、俗に言う「黒字倒産」です。
商品というのは取引先に販売することで現金に変わります。
ただ、商品は販売する前に仕入れるため、売上金として回収する前に仕入れ代金を支払うことになります。
つまり、お金を得る前にお金を出すことになり、売上金を回収するまでの間、会社の運営資金を用意しなければなりません。
例えば、売上が200万円で、その商品の原価が80万円、営業経費が40万円だったとします。
決算書では、200万円-(80万円+40万円)=80万円となり、80万円の利益が計上されます。
しかし、200万円の売上金の現金入金日が3ヶ月後だったとします。
仮に、商品原価と営業経費を1ヶ月後に支払うとします。
すると、1ヶ月後の時点では、80万円+40万円を足した120万円の現金が不足することになります。
帳簿上では利益が80万円もあるのに、実際には120万円の現金が足りません。
銀行などから借入ができれば良いですが、できなければ倒産です。
在庫は営業上不可欠なものですが、資金繰りの悪化原因に繋がるものでもあります。
売上金を素早く回収する、在庫は必要最小限に抑えるというのが黒字倒産に陥らない方法と言えます。