中小企業の従業員の退職金を確保する中小企業退職金共済
朝礼ネタ3530 2021/01/01 人事・総務サラリーマンにとって、定年後の生活の糧になるのが「退職金」です。
ただ、中小企業の場合は、自社で退職金制度を設けることの難しい場合があります。
そんな中小企業のためにあるのが、「勤労者退職金共済機構」の「中小企業退職金共済(中退共)」です。
中小企業退職金共済は、中小企業に退職金制度を導入してもらうことで、従業員の福祉の増進や雇用の安定を図ることが目的になっています。
退職金共済の掛金は全額事業主が負担します。
従業員が負担することは認められません。
そして、従業員が退職した際に中小企業退職金共済機構に申請すると、機構から直接従業員に退職金が支払われます。
従って、退職時における会社の負担はありません。
掛金は月額5,000円から30,000円の範囲で16通りがあり、事業主がその中から選択します。
掛金は全額が損金扱いになるため、会社の税負担を軽減できるというメリットがあります。
退職金共済の特典は、掛金に対して国からの助成があります。
例えば、初めて中小企業退職金共済に加入する事業主は、加入後4ヶ月目から1年間、国から掛金の1/2の助成を受けられます。
ただし、従業員ごとに上限が5,000円です。
また、18,000円以下の掛金を増額変更する事業主は、増額月から1年間、増額分の1/3について国から助成されます。
ちなみに、退職金は基本退職金に付加退職金が加わるため、支払った掛金よりも多くの金額が支給されます。
基本退職金は掛金と納付月数に応じて決まり、法令によって金額が定められています。
例えば、月額掛金が1万円で20年間掛金を納付した場合、基本退職金は2,666,600円になります。
一方、付加退職金の額は掛金を運用した収益状況などに即して定められます。