「良いところ探し」に惑わされるな
朝礼ネタ2983 2021/01/01 クリエイティブ企画・マーケティング嫌なことがあったとき、
意にそぐわないことがあったとき、
みなさんはどのように対処していますか?
ある人は、どんなに思い通りと異なることであっても
そのときどきで良いところを見つけようと努めていました。
文房具を買うとき。
本当は赤が好きだけれど、売り切れていました。
「それならば、店員さんが勧めてくれたオレンジにしよう。
オレンジだって明るくてキレイな色だし、
何より店員さんの一押しだし。案外いいじゃない。」
転職先を探すとき。
事務職を希望しているけれど、なかなか内定がもらえませんでした。
「やっとのことで手に入れた内定は営業職。
希望の職種ではないけれど、事務職よりお給料はいいし、
対人スキルや提案力も身につくし。悪くないんじゃない。」
結婚相手を決めるとき。
容姿、性格、体型、考え方や生活スタイルに至るまで
何一つ好きなところが見つからない人からプロポーズされました。
「けれど、金銭的にはあまり苦労せずに済みそうだし。
完璧に理想のイメージどおりの人なんていないと言うし。
何より私のことを好きだと思ってくださっている方なんだから
悪いようにはしないでしょう。これでいいじゃない。」
そうして「良いところ」を探すことは、一見するとポジティブにも見えます。
しかし、果たしてそれは本当にポジティブだからこその思考でしょうか。
それ以上探し求めることを面倒に思って諦めてしまっていたり
ただ単にNOと言えない性格をポジティブに見せかけてごまかしたり
自分の本心を騙しているだけではないでしょうか。
良いところ探しをしていたその人も、
やっぱり赤の方が好きだった、あのとき他の店も探せばよかった。
営業職も良いけれど私のスキルが生かせるわけでない、転職活動を続ければよかった。
いくら相手から好かれたって自分が好きになれない相手との結婚が幸せなわけがなかった。
と、あとから自分の本心と葛藤し、悩むことになりました。
結婚生活に至っては、あまりに苦痛すぎて心療内科に通うほど思いつめたそうです。
「良いところ探し」をした結果、
納得のいく答えに辿り着き、後悔しないのであればそれも良いことです。
しかし、自分の本心に蓋をするためだけの「良いところ探し」は
のちのち自分自身も苦しい思いをする結果を生みかねません。
例に挙げたお話はプライベートに関するものでしたが、仕事でも同じです。
内心では良いと思っていない判断、腑に落ちていない行動は
やがて溜まって大きな不満になりかねません。
場面によっては短い時間での決断を迫られたり、人の意見を聞かねばならなかったり、
様々な事情はあるかと思います。
それでも、不満が爆発してしまっては手遅れですし
よく思っていないことや、内心くすぶっていることは、案外と何かの形で人にも伝わるものです。
良い仕事をするために、まず自分自身の気持ちと向き合ってみてください。