いつもと違う景色を見るために

  • 追加
  • 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」

    夏目漱石の草枕の冒頭部分です。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
    この一説を理解するにあたり、現代では中々馴染みのない言葉の説明を挟みたいと思います。

    情に棹させばの「棹」とは船を進める櫂のことで「棹さす」とはこれを川底に立てて力を入れて進める事であり、流れのあるところへ「棹さす」と推進力が倍増して流されるということであって「流れに逆らって」という意味ではありません。

    理知や理屈で割り切った行動ばかりしていては世間と摩擦が生じるし、かといって情に流され個人的な感情を優先させていれば、それに引きずられて事態を悪化させる。
    また、意志を強く持っていてもそれに固執しすぎれば窮屈な生き方を強いられる。

    この様に智・情・意志のどれに力点を置いても人間社会を生きる事は難しいということを書いた一説で、バランスが大事である事をきれいにまとめた一説で私はとても好きです。

    具体的な人物像を浮かべてみたら分かりやすいかもしれません。
    学問だけを極めて賢い人はいます。でも勉強で学ぶ理屈だけで世の中は生きていけますか?情に流されて変な人に引っかかった犯罪者の話は聞いたことはありませんか?自分の意思を強くお持ちの職人気質の方を付き合いにくいと思ったことはありませんか?

    智・情・意志どこに比重を置きすぎてもいけない、この場面では智・情・意志どこに比重を置けばうまくまとまるのだろうか、などと考えて今日一日を過ごしてみるといつもと違う景色が見えてくるかもしれません。

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